腸内環境が大切!とよく聞くようになりました。
ヨーグルトなどで手軽に取り入れることができる乳酸菌。
いまでは口臭にも乳酸菌が効果的ではないか、といわれています。
今回は乳酸菌と臭い対策の関係を解説していきます。
口内細菌と臭いの関係
腸内フローラという言葉は聞いたことがあると思います。
腸内の細菌のバランスが悪く悪玉菌が多くなると、便秘や軟便などになってしまうので乳酸菌をとって、腸内環境を整えましょうとよく言われます。
腸内と同じように、口内にも口内フローラと呼ばれる細菌叢があり、口内の細菌は「善玉菌、悪玉菌、日和見菌」の3種類が2:1:7のバランスで共存しています。
悪玉菌を無くせば良いわけではなく、口内細菌もバランスが重要です。
悪玉菌が増えると強い口臭に
口内の悪玉菌は糖やタンパク質を分解していきますが、その際にメチルメルカプタンやインドール、スカトールなどの悪臭ガスを発生させます。
悪玉菌は、空気が苦手で歯と歯の隙間に溜まる歯垢などにすみついて増えていきます。
清掃不足などが原因で悪玉菌が多くなって口内細菌のバランスが悪くなってしまうと強い口臭が発生しやすくなるのです。
乳酸菌は善玉菌
乳酸菌は善玉菌に分類される微生物の総称です。
こちらもさまざまな種類があり、いままでに400種類ほど発見されていますが、まだ人間に発見されていないものもあるとされています。
口臭の原因が、口内の細菌ならば善玉菌である乳酸菌を摂取すれば、口内のバランスがいい方向に向かうのではないか!として研究がたくさん行われています。
いままでに発見された口内の環境によいとされる乳酸菌を紹介します。
LS1
元々人間がもつ善玉菌です。
LS1は、歯周病の原因となるジンジバリス菌を減少させ抑制する効果があるとされています。
ロイテリ菌
母乳に含まれる乳酸菌です。
免疫強化や胃腸機能にいいとされていて、口腔内には、虫歯の原因となるミュータンス菌の減少や歯周病菌にも良い働きがあるとされています。
L8020
むし歯になったことのない健康な子どもの口の中から発見されたヒト由来の乳酸菌です。
虫歯菌の働きを抑制させ、繁殖を防ぐとされています。
WB21
もともと人がもつ乳酸菌です。
口内の悪玉菌の抑制、減少に期待できるとされています。
ピロリ菌にも作用して胃腸の健康にも役立つとされています。
乳酸菌をとるなら餌になる食品も一緒に
乳酸菌を摂取しても体内にすみついてくれるのか?というと疑問が残ります。
口内であれば多少は効果がありそうではありますが、飲み込むタイプのサプリで摂取した乳酸菌は腸にとどくまで生きているのでしょうか?
乳酸菌を気にするのなら、自分のすでに体内にいる善玉菌を元気にしてあげるように、エサとなる食材を意識して食べてあげると良いのではないでしょうか。
乳酸菌の餌となるのはオリゴ糖と食物繊維などです。
オリゴ糖は大豆、玉ねぎ、アスパラガスなどに多く含まれます。
オリゴ糖は商品として販売もされているので、手軽に取り入れられそうです。
食物繊維は、きのこ、こんにゃく、海藻、根菜などに豊富に含まれています。
現代人は食物繊維が不足しがちといわれていますので、積極的に補ってあげましょう。
乳酸菌の世界は発展中
研究はさまざまな機関で行われており、腸内環境や腸内フローラ、口内フローラへの好影響について乳酸菌には高い期待が寄せられています。
しかし、まだ研究中というのが現状です。
乳酸菌を摂取すれば健康になれる、という過度な期待はせず、毎日の正しい歯磨きを基本に口内をケアしてあげることが大切です。